こんにちは。kiyoniiです。
今回は、身近な河川や海で狙いえる
毒を持った怪物「アカエイ」を狙った釣行記です。
狙いたい方、ご参考にどうぞ。
・アカエイってどんな魚?
日本ならどこに行ってもお目にかかれる程広く分布し、甲殻類や貝類をはじめ、底生生物を片っ端から捕食するクレイジーな怪物だ。特筆すべきはやはり尾の付け根付近にある毒針で、刺された場合、最悪死に至ることもある。ウェーディングや海水浴中も、刺される可能性があるので十分に注意したい。今回はそんな身近に潜む怪物を仕留めるべく、四国某所を訪れた。
・仕掛けは簡単
コブダイに引き続き、エイも非常にシンプルな釣り方で、針にアジを付けてほん投げる。ただコレだけだ。工夫なんて洒落臭え。流れに応じて錘を調整することはあれど、此れと言って気を使うことはない。スーパーに売ってる小アジを買って、半分に切って、頭側を使う。尻尾側はコマセ。
仕掛け自体は簡単だが、エイの引きはとても強く、また海底にへばり付くこともあり並のタックルでは引き剥がす事すら困難といえよう。ここだけはケチってはダメだ。パワーファイトを楽しめる装備でチャレンジしよう。※タックル詳細は別途記載。
・ポイントの決め方は?
砂底や泥底を好み、堤防や汽水域まで侵入するため範囲は広い。全国的に見ても該当するポイントは星の数ほどあるので、絞りずらいのが痛いところ。そんなエイに出会うために一番必要な情報は、その姿が見えるか否か。浅瀬まで回遊するエイは、泳いでいる姿を観察できる事がある。現地の釣り師や釣具屋さんに話を聞いて、どこでエイが見えたか、もしくは釣れたのか聞いてみよう。エイ専門で釣りをする人は皆無に等しいので、快く教えてくれるハズ。
・さぁ実釣開始!!
やってきたのは街中を流れる某有名河川。
スーパーで購入したアジを半分にちぎり、針に付けて投げ込んだ。
時間は朝の7時前と日差しも強く、平日とあってか通勤通学者からは白い目線が痛く刺さる。そりゃそうさ、贅沢な時間に遊んでる奴がいるのだから。そんな彼らを尻目に海底まで餌を送り込むと、ある程度糸を弛ませた状態でロッドを置いた。後は待つだけ。
餌を投げ込んで数分、竿先に微かな違和感。
潮の流れか餌取りか、確かな感覚を掴むためロッドを手に取り糸を張る。
刹那、
ググン、と確実に魚の手応え。もう釣れちゃうのかい?早過ぎひん?餌を完全に食い込ませるため暫く待つと、糸がたるみだした。餌をくわえたままコチラに向かって走っているようだ。
焦らず、そして迅速にたるんだ糸を巻き取っていく。数秒後、ズズンと重厚な感触を捉えた瞬間、全力をもってロッドを振り上げた。さぁ河川のモンスターよ、ひと勝負しようじゃないか。
・アカン、切られる!!
針にかかった瞬間から、更にコチラへ向かって加速するモンスター。それはアカンて。なぜなら釣り場は手前のフラットなコンクリート台から、急な落ち込みのあるエリア。そのまま突撃されたとあっちゃぁ糸がコンクリの角に接触して切られる恐れがある。コイツ、分かってんな?
針ががりを信じて一旦ラインテンションを抜く。完全なフリーにしたが、モンスターは構わず突っ込んできた。そして狙い通りかと思うほど器用にコンクリの角へ糸を引っ掛け、同時に落ち込みに沿って真横に走り出す。IQ高過ぎんだろ、AIアシストでも搭載してんのか?
とにかく一回落ち着くために、ラインをフリーにしたまま擦れる力を緩め、モンスターを好きに走らせた。どう足掻いても部は悪く、小細工を弄しても無駄に終わりそうだ。素早く立ち位置を変え、引っかかりを外せそうなラインの角度を模索するが、なんの変化もなくモンスターは遠のく一方。……これはもう、勝負に出るしかない。
・この時のためのオーバースペック
PE5号にリーダー80lb。どう考えたって強すぎる。でも今の状況を無理矢理突破するためでもあるのだ。ラインが擦れて切れる場合、多くはやりとりの最中、同じ箇所を何度も削ってしまうのが原因だ。もちろん鋭利な貝殻などは触れた瞬間切れることもあるが、今回良くも悪くも擦れている物はコンクリート。そう、問答無用に巻き続けることが出来れば、ライン全体のダメージは防げないとてラインブレイクは避けれられるだろう。丁寧なやりとりなんて必要ない。一回たりとも、モンスターに主導権を渡してなるものか。
ドラグを締め切り、ありったけの力でロッドを立てる。モンスターも必死に抵抗するが、スクーターを運ぶのにクレーン車を使っているようなもの。コチラがあまりにも有利で申し訳なかったが、リールを巻く手を緩める訳にはいかないのだ。すまんなアカエイ。
途中何度か海底にへばり付いたが、全力で巻き続けた結果、河川のモンスターは観念して浮いて来た。すかさずネットにいれて勝負アリ。棘付きの元気なアカエイと出会うことができた。アベレージサイズと言ったところだろうか。ドキドキのファイトを楽しませていただきました。エイよ、ありがとう。
その時の実釣動画はコチラ
・この棘マジでヤバいから
アカエイの尻尾、その付け根近くの棘には毒がある。刺された場合、人によってはアナキフィラシーショックで死に至ることも。釣り上げられた後も、尻尾を鞭のようにしならせ一矢報いようと襲ってくる。そのため釣られたエイは棘を折られてしまう事が多いが、今回はそのままリリースした。
記念撮影の後、ネットに戻してからリリースすれば良かったのだが、棘が怖かったのでグリップで掴んだ状態から海に投げ込んだ。動画上でこのシーンに魚への配慮が足りないとコメントがあった。おっしゃる通りだ。危険を承知で遊ばせて頂いているのだから、然るべき態度で臨むべきだったと反省。
自然の生き物と接する上で、人それぞれの価値観はあれど、釣りを通して学ぶことの多さを改めて認識した釣行となりました。
・タックル詳細
さてさて今回の使用タックルは次のとおり。
ロッド :WORLD MONSTER 762H (Abu Garcia)
リール :REVO BEAST (Abu Garcia)
ライン :PE5号
ハリ :ファインタマン24
エサ :スーパーで売ってるアジ
リーダー:Ocean Record 80lb (VARIVAS)
海底にへばり付くエイを剥がすことを考慮して、やはりパワーのあるタックルで挑みたい。ショアジギクラスのパワーがあれば安心だろう。ウツボやサメと違ってラインを噛み切られることは無いだろうが、海底に擦れて切れる恐れもあるので強めに越したことは無い。針は折れないように太軸で頑丈なものを。餌はアジ買っておけば完璧だ。間違ってもノベ竿なんかでチャレンジしないように笑
それから大型のエイは予想以上の重量になるので、使用するネットはフレームの頑丈なモノを使おう。あまりの重さにギャフを使う方もいるみたい。
・まとめ
今回は1投目で運良く釣れてしまったので、潮回りや状況の変化に応じた対応策は全く分からないままだった笑
技術的にアドバイスすることもなく、読者様に伝えられるのは「ひたすら棘に注意せよ」と「気をつけさえすれば、棘に刺されることは無い」この2つだけであろう。マジで尻尾を鞭のように振り回してくるのだが、攻撃範囲はそこまで広くなく、必要以上に間合いへ飛び込まない限り心配はない。正直ランディング前後が一番危険な感じがする。同様の釣りにて「ドチザメ」「ウツボ」「アナゴ」辺りが釣れる可能性を含み、とりあえず大物と出会いたい方にはオススメの釣りである。ただし釣れる大物全て例外なく「危険生物」なので(ほとんど歯が鋭い)フィッシュグリップやロングペンチ、大型のネットなど、タックル以外の装備も十分に揃えて挑戦していただきたい。
それでは安全に配慮して
楽しいフィッシングライフを!!
お読み頂き、ありがとうございます。
ではまた。
kiyonii