数年前と比べてすっかり市民権を得たビッグベイト。各メーカーそれぞれに代表的なビッグベイトが存在し、形状やアクションに至るまで多岐に渡るその様はバスフィッシングの多様性をダイナミックに可視化していると言えよう。
この記事は、これから始める方や、すでに使っているが中々釣果に結びつかない方に向けて、恐縮ではあるが個人的な感覚を【入門編】として記す。実釣動画も貼っておくので、ほんのりと参考にして頂ければ幸いです。
・大きく分けたら2種類
早速だが本題に。
数多く店頭に並ぶビッグベイトも、大きく分ければ2種類に分別できる。
1つ目はアクションタイプ。ざっくり言うと、通常アクションでバスを寄せてから、食わせのアクションでトドメを刺す感じ。個人的にはダウスイ180やチビタレルが扱いやすく、タックルにも困らないのでおすすめだ。
続いてキープタイプ。これは一定のアクションをキープしたまま、バスを寄せ、食わすことのできるタイプだ。レンジを調整することで、更なる真価を発揮するが、同じアクションをし続けるだけで完結出来る破壊力が半端じゃない。アクションタイプと比べると、よりスローに、よりじっくりピンポイントを攻めることが可能。みんな大好きタイニークラッシュが代表格だろう。
もちろんタイプに優劣などは無くて、それぞれに得意とする状況がある。「いつ」「どこで」「どう使うのか」コレを環境に合わせて判断していくことが、理想のバイトシーンを再現する第一歩とも言える。だが自然と言うものは絶えず変化を続け、「絶対はない」と言う言葉を毎度毎度痛感する。そこで今回は、バスが捕食に至る状況を例に上げながら、ルアーに口を使わせるまでのストーリーを書こうと思う。コレを頭に思い描きながら釣りができれば、デカバスをその手に掴むのも時間の問題だ。
・バスの捕食も命がけ
当たり前だが、自然を生き抜くバス達にとって捕食行動も命がけ。ミスを続ければ体力は消耗し続け、弱って動きが緩慢になればデカバスだろうが今度は自分自身が鳥をはじめとする動物の餌食になってしまう。無駄な体力の消耗を避けるために、高確率で捕食できると判断しない限り「食べたい!」と思ってルアーに飛びつくことはない。他には「ついつい」や「なんだこの野郎!!」で食いつくこともあるが、今回は「食べたい!」に絞ってストーリーを書く。
・餌は簡単に食べられない
水に落ちた虫や流されてきたミミズなどリスクを犯さずとも捕食できる餌もあるが、基本的に小魚やザリガニなどのメインベイトは素早く逃げ回ることができるので、適当に追い回したところで簡単に食べられる訳ではない。ではバス達はいかにして日頃奴らを捕食しているのか。ここを少し掘り下げていくだけで、ルアーの使い方は劇的に変化するだろう。
・アクションタイプ
例として小魚を捕食しようとするバスがいる。水中に何もないところで捕食しようとしても、小魚からしたら前後左右に加え上下にまで逃げ道があるのだから簡単に食われることはない。そこでバスは考えた。「逃げ道の少ない場所に追い込んだら食える確率上がるやんけ」と。見渡すと、浅瀬に大きな岩が突き出している。「浅瀬に追い込めば、水面という天井と底で上下の逃げ道は無くなるし、岩に追い込めば左右一方は行き止まり。岸際も利用すれば奥に逃げることもできないし、しめしめ上手いこと食べることができそうだぞ」とまぁこんな具合になるわけだ。
ではこのバスを釣ろうとした時に「どこに立って」「どこに投げて」「どのコースを通し」「どこで食わせるか」と、釣り人側は考える。浅瀬の岩に追い込ませて食わせるから、ここのコースを通すために、ここに立って、あそこに投げて…という感じだ。ルアーのアクションも左右にダートできるタイプならワザと壁際に追い込まれるように動かすこともできるし、追い詰められた後の反転アクションや、逃げ惑うパニックアクションなど、その時の状況に応じて使い分けることが醍醐味とも言えよう。漫然とキャストする訳でなく、どこで食わせるかまでを常に頭に入れておきたいところだ。ちょっとした段差や壁でも捕食ポイントになり得るので、とにかく「追い込まれてしまった!!」とルアーが喋ってしまうように使ってあげるが吉。
・キープタイプ
大きいバスほど好条件が重なった場所に必ず陣取っている。人に置き換えるなら家賃を無視した物件選びと考えれば、強い個体が良き場所を陣取るのは真理である。身を隠すことができ、捕食に適した地形で、水質も安定してるような場所だ。弱った餌が横切るのをジッと待ち構え、チャンスを窺っている。そんなバスに効果抜群なルアーがキープタイプのビッグベイトである。ヨタヨタと弱った魚を演出し、移動距離を抑えることでチャンスゾーンを1秒でも長く攻めることができる。バスを焦らすこともできるので、多少怪しいと思いつつも、目の前でご馳走が踊っているのだから我慢の限界が来るのも頷ける。
タイニークラッシュがおすすめではあるが、より小型でタックルを選ばないブラストボーンjrも個人的には良き。表層を早めに巻いたりと小技も多く、護岸沿いや障害物周りまで守備範囲の広い頼れるルアーである。出しどころの多いルアーは常に1つは持ち歩きたいものだ。
・タックルについて
たくさんのビッグベイトタックルが溢れかえる昨今、ベストな組み合わせを見つけるのは正直面倒だ。そこでここではルアーのウェイトに合わせた例を紹介させてもらう。
60g前後まで
今回紹介したルアー達は全てこのタックルセッティングでOK!
【中価格帯】
・ロッド 22エクスプライド172H-2
・リール 21スコーピオンDC
・ライン フロロ16lb
【コスパ最強】
・ロッド 23バスワンXT1610H-SB
・リール プロマックス
メーカー問わずロッドの硬さの表記がMH〜Hのモデルが良い。リールもフロロ16lbが80mほど巻けるなら何も問題はない。ビッグベイト以外にもフロッグや打ち物、羽根モノなど、同じセッティングのまま扱えるルアーの幅は広いので、お財布やタックルボックスの中身と相談して欲しい。
100g前後まで
ダウスイ220などが代表的。このクラスはもう一段階強めのタックルが必要だ。
【中価格帯】
・ロッド 22エクスプライド166XH-SB/2
・リール 24スコーピオンMD HG
・ライン フロロ20lb
【コスパ最強】
残念ながら低価格帯では限界がある。選ぶポイントとしては上記のような重いルアーを投げれるロッドと、フロロ20lbを80mほど巻けるリールが必要になってくる。各社から様々なロッドが出ているので、いくつか好みをピックして中古屋さんに行くのも手。
このクラスになるとラインにPEを使うこともあるが、初めはフロロ、もしくはナイロンで慣れた方がトラブルも少なく快適な釣りができるはず。
・まとめ
見た目は派手だが使い方は繊細そのもの。今回紹介したのはビッグベイトと呼ばれるジャンルの一部にすぎない。ブラックバスには留まらず、シーバスやアカメ、GTなど活躍の幅を増やす一方、タックルセッティングの複雑さが入門のハードルを上げてるのも確かなこと。先ずはタックルを選ばない小型のビッグベイト(?)から試してみて、ズルズルとその魅力に沼っていただきたい。
一応チビタレルを使った実釣動画を貼っておきます。
「こんな釣り方もあるのか」と、皆様の参考になれば幸いです。
動画はコチラから
是非是非ビッグベイトの世界へお越しいただき、新たな発見や驚きを体験してください。
ではまた次の記事、または動画でお会いしましょう。
安全第一で素敵なフィッシングライフを。
Kiyonii