こんにちは。kiyoniiです。今回は真夏のレイクトラウトに挑んだお話。
初心者丸出しで乗り込んだ人生2回目の中禅寺湖。1回目は中学生のキャンプだったか、早朝湖岸までこっそり抜け出し悠然と泳ぐ大きなニジマスに胸をときめかせた思い出はあるが、もちろん竿の持ち込みや釣りの時間など無かった訳で。大人になった今、大手を振るって舞い戻ってきた。季節は8月末。うん、もっとも期待値の低いシーズンに笑
・先ずは情報収集
仕事の都合でこの時期になってしまったが、だからと言って可能性はゼロではない。釣行日前日、15時頃に到着した私は中禅寺湖にある釣具屋さん(遊漁券の販売や、その他物販、カフェ併設)にお邪魔して、最近の傾向や、そもそもレイクトラウトの基礎知識を教えてもらった。兎角この時期は水温が高くトラウトのやる気がないようで、早朝4〜6時のチャンスタイムを逃したら納竿した方が良いレベルらしい。ほほう、望むところでござる。この日はいくつかのポイントを見て周り、タックル準備を整えて車中泊。なんと早朝3時から遊漁券が販売されるらとか。4時から釣りを開始するため早めにライトを消すことにした。
・ビッグベイトとスプーン
午前四時。静寂と暗闇に包まれた湖岸を、ヘッドライトを頼りに進む。前日可能性を感じたポイントに着き、タックルの準備を整えてGoproのスイッチを入れた。船の赤灯が湖面に2つ3つ。灯りを消すとそれ以外目に映るものはない。とりあえずとビッグベイトで中禅寺湖に挨拶をするも、返ってくるのは着水音とリールの奏でるシルキーな金属音だけ。他に竿を振る者はおらず、この広い中禅寺湖に一人佇んでいるような錯覚すら覚える。神聖な雰囲気の中に若干の恐怖が混ざり合うなか、朧げに、だが確実に山並みがその姿を露わにする。残念ではあるがボイルの一つも聞こえやしない。悔しいがシャローに刺す大型に絞った釣りを諦め、スプーンでディープを狙う釣りに切り替えた。時刻は5時前。10ftのショアジギロッドに15gのスプーンをつけ、湖底に潜む宝石を狙い撃つ。
・「2–2–5」
スプーンのアクションとして中禅寺湖特有?のアクションがある。深い深い湖底までスプーンを届けた後に、リールを2回巻いてフォール、2回巻いてフォール、その後5回巻いて着底させる、通称「2−2−5」だ。(読み方呼ばれ方は知らんけど)他にも湖底を小突くよう小刻みに誘っては止めることが吉とされる。特に夏の高水温時には効果的らしく、今回はこの2アクションのみで攻めることに。スピニングタックルを準備し終わる頃、心なしか、周りはほんのりと明るくなっている。足元がぼんやり見えるので10ftのロッドを振り抜ける様、立ち位置を調整し、遥か彼方の対岸を目がけてキャストした。(実際5〜60mしか飛んでないだろうけど)
・まさかまさかの1投目
教えの通り先ずは湖底までスプーンを落とす。これが長いのなんのって、海以上に着底まで時間がかかる。最深部は160mもあるらしく、陸っぱりから届く範囲でもそれなりの深さがあるのだろう。ふと手元のリールを流れるラインが止まったので、先ずは「2−2−5」からスタートだ。話によるとレイクトラウトの当たりはとても明確で、鋭く手元に響いてくるそうだ。そんな未来が訪れることを祈りながら、リールを巻く手に力が入る。おさらいをする様に「2回巻いて落とす、2回巻いて〜」と口に出しながら殺気コントロールを施している最中、2順目の5巻終了時、前触れもなくガツンと手元に衝撃が走った。
ほとんどビックリ合わせだっただろう。ロッドも長く、長距離でフッキングしたためか、最初、魚かどうかも怪しかった。根がかりの可能性もよぎったが、5回もリールを巻いた後、テンションを抜いた直後の衝撃。魚の他にないだろう。暫くすると魚からの反応もあり、ドラグ音は感動と驚きを含んだこれまで以上に聴き心地の良いものになった。程なくして湖面から飛び出した魚体は、暗がりでもはっきりと輝いて見えた。ネットに入れてからライトを照らすと、その姿、もちろん口元やディティールもそうだが何より美しい模様に息を飲んだ。実際、釣り上げた直後はレイクトラウトかどうか自信を持って判断できなかったのだが、駐車場に戻ってから出会った熟練のトラウト師と立ち話をする機会があり、写真を見せて「これはレイクトラウトだね。おめでとう」との認印を頂いた。40㎝と決して大型とは呼べないが、その存在感は本物だ。本当はアチコチ触って、背びれや尾びれも隈なく観察したかったのだが、湖底から無理やり連れてきてしまったので水温やその他環境が異なるだろう。早めにネットから湖へ放すことにした。一応水中映像を撮ったのだが、興奮と感動のためかカメラとの距離感がグダグダの、なんともお粗末な映像となってしまった笑
一応動画にして思い出をアップしておいた。
興味のある方はご参考までに。→https://youtu.be/FDNA8hxZ9Bo
後で何度も見返すことになるのだが、映像としての限界か「十二分に美しさが伝わらないな」と自分でケチを付けながら、日々美化していくであろう思い出のレイクトラウトに思いを馳せる未来が見えた。
一応タックルデータを貼っておこう。
スピニングタックル
ロッド :SHINANO ソルティーアドバンスS100M
リール :22サハラC5000XG
ライン :PE1.5号
ルアー :スプーン
・その後
調子よく釣れたもんだからサイズアップを期待したが、早朝の静寂よろしく釣果の方もすっかり黙り込んでしまった。小型なトラウト達のボイルはあれど、振り向いてしまう様な音は遂に聞こえず。それならとタックルを入れ替えて小さなスプーンを通すものの、遂に奴らの正体は分からず終いだった。1Day 2,200円と決して安いとは思えないが、時期も時期だと早めに見切りをつけてお昼を食べる前に潔く納竿。いろは坂を降りながらヒットシーンを何度も思い返してニヤついたのは言うまでもない。
・終わりに
遊漁券やレギュレーションなど、日々の釣りとは異なる部分も多いであろう中禅寺湖。先人達がルールを守り続けてきたからこそ現在の環境が残り、僕の様なトラウト初心者丸出し野郎でも楽しく釣りに励むことができる。ルールもHPなどで分かりやすく把握することができるし、観光地としての側面を持つため、現地の方々の知識やアドバイスは的確そのものだ。できれば解禁直後から6月頃のハイシーズンにお邪魔したいが、ギリギリ遊漁期間と被るか否かの紅葉期も魅力的だ。その他組合のオリジナルTシャツや「願い叶えマスみくじ」といったユニークな物販もある。
何度も訪れたくなる中禅寺湖。
季節毎の絶景を楽しみつつも、湖底に煌めく宝石の様な、美しきトラウトにまた挑みたい。
k.kiyonii